FXクロスの安さの理由は?
通貨の価値を評価することは簡単ではありません。ここでは、最も一般的な方法をいくつかご紹介します。
評価の主な考え方は、証券の価格をファンダメンタルズ評価に基づいた評価と比較することと同じで、株価と企業収益の関係を考えるということになります。しかし、通貨の場合、何が「収益」の役割を担うことができるでしょうか。
金利に対する評価
ある意味、通貨には収益があります。その通貨で得られる金利です。ひいては、2つの通貨のクロスの配当は、純金利となります。
EURUSDを例にとると、EURをロング、USDをショートしているため、EURで金利を受け取り、USDで支払うことになります。EURの1ヶ月の金利が0.5%、USDの1ヶ月の金利が3%と仮定すると、EURUSDの純金利は-2.5%となります。
この金利差が大きくなれば、理論的にはEURが高くなるが、なぜでしょうか。答えは、投資家がよりユーロ債に投資することに魅力を感じるようになり、ユーロの需要が高まるからです。
これをファンダメンタルズ的な価値の軸として、金利差に回帰することで、通貨クロスの価値を測り始めることができます。
例えば、金利が1%変動すると、クロス円は3%上昇するとします。しかし、最近、金利差は2%上昇したが、通貨は横ばいであった。そうすると、通貨は6%高くなるはずだ、つまり6%過小評価されているのだ、と判断することができます。
こんな感じです。
通貨を評価するその他の方法について
その他の方法としては、購買力を調整する方法があります。ある国でリンゴが1ドルで、別の国では0.5ドル(換算後)だとします。
リンゴの仲買人にとっては、後者の国でリンゴを買おうとするのは明らかです。そのために仲買人は、まず手持ちのドルを売って後者の国の通貨を購入します。それがすなわちその通貨の価値が上昇することになります。
このような評価方法は、購買力平価と呼ばれます。